こんにちは。
昨日は就労支援連絡会主催で開かれた勉強会に、当事業所からは芹川と杉野と松井の3名で参加してまいりました。
テーマは「知ってますか?医療観察制度~精神に障害を持つ人の社会復帰を促進するための制度を学ぼう」。
講師は法務省福岡保護観察所の社会復帰調整官・梯氏でした。
「医療観察法」。
聞き慣れないと思いますが、正式名称は「心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律」です。
他害行為(この場合殺人・放火・強盗・強制性交等・強制わいせつ(←以上五罪種は未遂も含む)・傷害)当時に
事物の理非善悪を弁識する能力が無いか、またはこの弁識に従って行動する能力が無い状態であった者=心神喪失者
や
同じく行為当時、精神の障害により、事物の理非善悪を弁識する能力が著しく劣っているか、またはこの弁識に従って行動する能力が著しく劣っている状態であった者=心神耗弱者
に対して、その適切な処遇を決定するための手続き等を定めることにより、継続的かつ適切な医療並びにその確保のために必要な観察及び指導を行うことによって、その病状の改善及びこれに伴う同様の行為の再発の防止を図り、もってその社会復帰を促進することを目的とする
これが「医療観察法」の目的となります。
(興味のある方は詳しく調べていただくとして。)
ここで就労支援事業所の役割は何か、ということを考えるのが昨日の研修会の目的でした。
様々な事情や背景があっていわゆる「対象となる他害行為」を犯した対象者がいます。
その対象者は入院中に必要な医療を受けたり、しっかりとしたサポートを受けることで徐々に社会復帰への道が開けていくのですが、そこで必要になってくるのが生計の基盤となり、また、本人が「社会に受け入れてもらえた」「もう一度やり直すことができた」という実感を得ることができる「仕事」ということになります。
本人が地域で生活できるようにガイドラインに沿って基本方針が敷かれているのですが、三本柱となるのが【継続的且つ適切な医療の提供】と【継続的な医療を確保するための精神保健観察の実施】そして【必要な精神保健福祉サービス等の援助の提供】。この【必要な精神保健福祉サービス等の援助の提供】が私達の役割であり、大切なのはこの3つがきちんとネットワークとして機能することを「確保する」ということです。
該当行為そのものではなくその背景にあるもの・そこに至るまでの経緯などをしっかりと聴き取り、ケア会議に参加し関係各所と協力し合い、対象になる方の社会への復帰を支援するというのは、医療観察法の対象者以外の方でも当てはまるのではないでしょうか。
診断名だけで判断するのではなく、その人そのものとその背景を考え、しっかりと知ったうえで援助を行う。
これは支援する者の基本中の基本であると思います。
その基本をはずすことが無いように、どのような方にも対応できるように。
こういった機会を捉えて勉強して、更に事業所に持ち帰ってスタッフ全員の支援力を上げるようにしてまいります。
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